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まもるくん物語 第八話

(12)リフレッシュ効果

ぼくはMAMORUKUN(まもる君)です。ぼくの主成分であるヒノキチオールはフィトンチッドの一つです。ヒノキチオールに限らずフィトンチッドには心身をリフレッシュさせる効果があります。皆さんが山に出かけられて森の中に身をおいた時「爽やかさ」を感じられるのもそのせいです。不思議と心が落ち着き、体も自然に伸びやかになってきます。

お釈迦様は菩提樹の下で悟りを開かれたそうですが、何となく分かるような気がします。日本で香りが使われ始めたのは飛鳥時代で、仏教と共に中国から渡来したそうです。最近よくテレビで紹介される「香道」は15世紀後半、銀閣寺を舞台としたいわゆる東山文化の中で茶の湯、生け花、能などと共に誕生しました。香りを味わう、香りを聞くことを聞香(もんこう)と言います。香木としてよく使われるのは白檀、沈香です。東大寺の正倉院にある「蘭奢待」(らんじゃたい)は余りにも有名です。香りは心身症の治療にも用いられています。これを聞香療法と言うそうです。この療法によって不安、緊張、不眠、神経過敏などの症状が和らぐことが分かっています。

よく耳にするアロマテラピーはこの聞香療法の西洋版です。これは植物精油を用いて美容や健康に役立てようというものです。その療法は調合した精油を使ってマッサージしたり、吸入したり、内服したりします。残念ながらぼくはアロマテラピー用に作られていませんので同じような使い方をすることはできません。

でもぼくを直接肌に塗ると個人差はありますが、肌がすべすべしたり、乾燥肌が改善されたりする効果がありますし、匂いをかぐと心が落ち着いてきます。ぼくの他にも、オレンジやシナモン、ジャスミン、ペパーミント、ラベンダーなどが有名です。

話を元に戻しましょう。フィトンチッドは私たちの体に活力を与えるさまざまな働きがあります。もっとも個人差がありますので全ての人に同様な効果が表れるとは限りません。参考までにヒノキチオール以外のフィトンチッドの働きとその成分を持つ植物を幾つかご紹介して、第八話を終わりたいと思います。

リモネン コレステロール系胆石溶解 みかん類果皮
カンファー 局所刺激、清涼 クスノキ
シトラン 血圧降下、抗ヒスタミン効果 バラ
チモール 去痰、殺菌 タチジャコウソウ
テレビン油 去痰、利尿作用 マツ類
メントール 鎮痛、清涼、局所刺激 ハッカ

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