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快適生活研究所情報 2014年11月号

経営姿勢:当社は「いのち」と「こころ」を大切にする経営に徹します

経営理念:信頼のネットワーク、人に優しい天然素材で快適生活のお手伝い

(1)水源の森の回復 中根周歩広島大学名誉教授に学ぶ

 日本の国土の2/3が森林です。フィンランド、スエーデンに次ぎ世界第3位の森林国です。森林の土壌は雨水をためる巨大なダムです。そのはずなのに最近水害が多いのは何故でしょうか。戦後国は拡大農林政策によってスギやヒノキをむやみに増やしました。そのために針広混交林そして広葉樹など自然林が少なくなってしまいました。とりわけブナやシイなどが少なくなったためか熊や猿などが食べ物を求めて人家に下りてくるようになり人間を襲ったり田畑を荒らすようになりました。
 中根先生は徳島県吉野川で、「可動堰建設問題」が起きた時、住民から人工林をきちっと間伐したり、針広混交林に変えていくことにより、大洪水のときの川のピーク流量がどれくらい低く抑えられるかを検証して欲しいと依頼されました。
 大変驚いたのですが、森の治水機能は樹木があることで生じるのではなく、実は樹木と土壌動物・微生物が作るフカフカの「土壌」にあるということです。そして、樹木の根がしっかりとその土壌を抑えて守っているので、山は崩れず厚い土壌も守られているのだそうです。雨水の土壌に浸透するスピードが相対的に小さいのは森林の土壌で、降ってきた雨が林内雨、樹幹雨になり、相対的に「表層を流れる水」が増えてきます。斜面ですから地面に浸透しなければザッと谷まで流れていってしまいます。土壌の浸透がいいと、雨が降ったときに河川の流量のピークが下がることになります。サラリーマンの時差出勤のように、河川の場合は洪水が抑制されます。もう一つは浸透がいいと土壌に蓄えられる量が多くなり、これが、森林の貯水機能となります。実際に自然林と人工林では浸透力は2.5倍あることに驚かされます。また適切に間伐したところは、手抜きの間伐や放置人工林と比較して約10%ほど保水力が高くなります。四国の山の6割が人工林ですが、調べてみると本来の林野庁のマニュアルに従った間伐をやっているのは1%以下で、99%は手抜きの間伐です。適正に間伐をした森林にすれば、吉野川流域で700万トン貯有できるダムを4個作ることと同じことになります。ダムに水をためるのではなくて、広大な流域の土壌にためておくのです。人工林を1本間伐すると、流域の土壌にさらに70リットルの水をためることが出来ます。中根先生たち研究者が出したデータによって、可動堰計画は中止になりました。
 集中豪雨による土石流の発生が懸念される昨今、先生のご講演で指摘された点は、その対策の一つとして真剣に考えてみる必要があるように思います。東日本大震災で万里の長城とまで言われた宮城県宮古市田老地区の防潮堤が役に立たなかったことや鎮守の森は杉がほとんどで、根の張りが浅いので根こそぎやられ、一方根が張る樹木には素晴らしい防災機能があることを学びました。自然林の持つ機能を見直し間伐などに取り組んではどうでしょうか。

(2)まもるくん豆知識 まもるくん読本作成

 現在300mlに添付しております「まもるくんミニ情報」に替わり「まもるくん読本」を作成しました。「まもるくん」について初めての方にも興味深く読んでいただく内容にするよう心がけ、使用例やリピーターさんの情報、使用上の注意等も網羅しております。次回お買い上げの方には商品に添付いたしますのでご覧いただければ幸いです。