快適生活研究所情報 2010年09月号 |
経営姿勢:当社は「いのち」と「こころ」を大切にする経営に徹します
経営理念:信頼のネットワーク、人に優しい天然素材で快適生活のお手伝い
(1)日本国民に告ぐ U 藤原 正彦 氏
8月号で藤原正彦氏が文芸春秋に掲載した論文をまとめて掲載した。その後8月15日の「終戦の日」を迎え、甲子園で戦う高校球児と共に戦没者に黙祷した。続いて挨拶に立たれた天皇陛下の全く無駄のないお言葉が心に残った。(以下その全文)
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、先の大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来既に65年、国民のたゆみない努力により、今日のわが国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。
ここに歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります。
350万人の尊い命が戦争により失われた。藤原氏の次の言葉をもう一度噛締めたい。
「家族愛、郷土愛、祖国愛、この三つの愛が健全に育ってはじめて愛も崇高な人類愛を持つことができる。三つの愛なくして人類愛は砂上の楼閣にすぎない。」日本がもう一度世界に冠たる国になるには日本の他国にはない素晴らしさに私達が気付き目覚めることだと語る。「日本人の築いた文明は、実は日本人に最も適しているだけではない。個よりも公、金より徳、競争より和、主張するより察する、惻隠や「もののあわれ」などを美しいと感ずる我が文明は「貧しくとも皆幸せそう」という、古今未曾有の社会を作った文明である。(中略)この美的感覚は普遍的価値として今後必ずや論理、合理、理性を補完し、混迷の世界を救うものになろう。」このような日本に誇りを持ち、守っていきたい。
(2)バカにはなるまい 教育者 東井 義雄 先生(明治45年生れ、平成3年没)
東井先生は「人間は5千通りの可能性を持って生まれてくる」と言う。極端に言えば死刑囚や泥棒になる可能性もある。その5千通りの可能性から、どんな自分を取り出していくか。「世界でただ一人の私を、どんな自分に仕上げていくか。その責任者が私であり、皆さん一人ひとりです。」先生の講演の中で「バカになるまい」と繰り返され、一人の知的障害を持った中学生の詩を紹介されている。
「私は1本のローソクです 燃え尽きてしまうまでに 何か一ついいことがしたい 人の心に 喜びの灯をともしてから死にたい」 彼は勉強は出来ないが何かいいことをしたいと頑張っている。これが賢い生徒。
ところが、少し勉強ができてもバカがいる。ある中学生が下校の途中、通せんぼをした保育園の園児に腹を立て、刺殺する事件が起きた。一度家に帰り刃物を持って引き返しての犯行。なぜ、やめておこうとブレーキがきかなんだのか。彼は自分で自分を人殺しにした。」自分を生かしてくれているものに気付くと、ぐれたり、自分勝手な生き方が出来なくなる。願いの中で自分は生かされている。」バカにならないよう、生かされていることに感謝し、一日一日を大切に歩みたいものである。