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快適生活研究所情報 2018年7月号

経営姿勢:当社は「いのち」と「こころ」を大切にする経営に徹します

経営理念:信頼のネットワーク、人に優しい天然素材で快適生活のお手伝い

「まもるくん」よもやまばなし その1

 初めまして。(有)快適生活研究所で主力製品としてお取り扱いをしていただいている、「まもるくん」の開発製造を担当いたしております社会システム総合研究所株式会社という、長い名前の代表をしております宮明邦夫(みやあき くにお)と申します。
 今から25年ほど前、地域の老人ホームの事務局長からご連絡を頂き、利用者の方の皮膚感染症(カイセンというダニが媒介する皮膚病で、とても感染力が強い)が、入居者間で流行し、お世話をするヘルパーさんたちにも感染。ヘルパーさんたちは、帰宅時に家族に感染させるということで頭を悩ませているというご相談を受けました。
 介護保険の施行にともない、ヘルパーさんたちも資格を取得するため、感染症予防の基礎知識などを身に付けられていますが、実際に施設内で専門的な医療知識を持っておられるのは、看護師さん1名というのが、今も変わらぬ現状です。
 できれば、取り扱いが簡単で、安全で、効果の確かな対処方法がないかと、薬剤師の私も調べて回りましたが、見つかりませんでした。
 そこで、この世の中にないのであれば、開発すべきであろうということで、取り組み始めたのが、自動で除菌をする装置と、そのための専用液です。
 「まもるくん」は、その専用液として開発したものが、独り立ちしたものです。
 施設内を自動で噴霧除菌をする専門的な利用方法だけでなく、もっと身近なところで、手動で利用したいという現場の声が、専用液ではなく独立した製品としてハンドスプレー容器での提供という形になりました。
 ところで、健康に関する製品で、安全にという性質と、効果が高いという性質は、二律背反の性質になります。高い効果があるものは、大きな副作用が伴うものであり、より専門的な判断が求められる分野です。
 製品開発を進める中で、より安全で、効果が高いものは何かということで、様々な成分を調査し、試験をしました。その結果、ヒノキチオールという青森ヒバなどの精油に含まれている成分に注目をしました。
 この成分は、除菌作用(微生物に対する抗菌範囲)が非常に広く、害虫に対する忌避効果があり(カイセンという皮膚病は、微生物でなくダニという害虫が皮膚で繁殖するので、この部分が大切でした)、また消臭効果が優れているというものでした。
 昭和二十年代から医療現場でも、眼科での洗浄剤として用いられたり、歯槽膿漏予防の歯磨きに配合されたり(今も人気製品の中に含まれています)しておりましたが、精油成分であるということから、油性のため水に溶けないので、ちょうどよい希釈をすることが難しいのが難点とされていました。
 そこで、効果を損ねず、使用するのに一番効果の高い濃度に希釈するため、様々な方法を試し、その結果ヤシの実石鹸液と精油をある比率で混合し、一定の攪拌状況を与えたものが、水を加えると簡単に乳化希釈できるという結果を得ることができたのです。費やした月日は、丸2年でした。
 樹木は生育するために、害虫を取り除き、バイキンを消毒しという作業を行うことができません。手を持たない樹木は、葉っぱや幹から害虫を寄せ付けないで、病気になる好ましくない微生物を駆逐する成分を自然に発散することで、身を守ります。特に寿命が長く、樹齢数百年に及ぶ大木になる青森ヒバは、身を守る効果が高く、種を運び、根本に肥料になる糞をしてくれる鳥獣類が傍に集まりたくなるような成分を分泌することが、生き残るために不可欠でした。
 何万年もの歳月のあいだに、進化を遂げていく中でできあがった樹木の精油成分であるヒノキチオールを、私たちの生活に御裾分けをしてもらい、有効利用させていただく。それが、「まもるくん」です。
 今回は、「まもるくん」の生まれた経緯のお話でしたので、少し理屈が多くなりました。次回は、「まもるくん」誕生後20年以上経過した中で、どのような私たちの生活の場面に役立っているかの身近なお話をさせてもらいます。(次月に続く。ご期待下さい)