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快適生活研究所情報 2015年3月号

経営姿勢:当社は「いのち」と「こころ」を大切にする経営に徹します

経営理念:信頼のネットワーク、人に優しい天然素材で快適生活のお手伝い

(1)ネグレクト(育児放棄)を考える

 昨年百田尚樹さんの小説「プリズム」を読み多重人格を知りました。父親の過酷で耐えがたい虐待から逃れるために別人格を作り出すという作品です。とりわけ幼い時に親から虐待を受けると人格形成に大きなダメージを受けます。
 池田小学校に乱入して8人の子供を殺傷した宅間守。幼少期に父親が毎日のように酒に任せて母親に暴力を振るい、壁が血だらけになるのを眼前で見せつけられて育ちました。母親は抵抗もせず、離婚もしないでただただ暴力を受け止めていたそうです。彼は母親から丸ごと抱きしめられた記憶がありません。逆に母親から生まれたことを否定されて幼少期を過ごしています。まだ自立して生きていけない幼い子にとって、母親に守ってもらいたいはずで、それが否定された悲しみは想像を絶します。彼は3歳で三輪車を道路の真ん中に止めて大渋滞を引き起こします。それは「僕を助けてください」と言う彼の悲痛な叫びのように思えてなりません。やがて10歳台後半で婦女暴行、器物損壊等を引き起こし、事件までに十数回の逮捕歴があったそうです。1980年に起こった浪人生による金属バット両親殺害事件。父親は東大出の一流企業支店長。幼少期暴力による虐待はありませんでしたが、一流大学に進ませようと母親から教育過干渉を受け、価値基準はテストの成績のみで、成績が悪いと勉強態度を怒られてきたそうです。いわゆる精神的な虐待を受け続けたのです。今回の和歌山県紀ノ川市の小学校5年男子殺人に相通じるような気がしてなりません。
 ノンフィクション作家柳田邦夫さんは「小学校の時期から塾通いさせ、親が子供の勉強を監視するといった「教育熱心」な親達の根底にある価値観のゆがみが、ゆがみと自覚されない時代の傾向になっていた。子供は親の願望を叶えるための操り人形を演じさせられるのだ」と話されています。児童精神科医渡辺久子さんは「トラウマの連鎖を断つには、親自身が自分の生き延びた辛い体験を、オープンに振り返って、誰かに語り、しみじみと涙を流すことが役立つ。自分の本音を認め、人を信じて許していくしなやかな心が、トラウマの世代間伝達を防ぐ心の土壌である」とおっしゃっています。先日近くのスーパのベンチで休んでいますと、前にいた若いお母さんが遊びから戻ってきた2歳ぐらいの女の子をぎゅっと抱きしめ額にキスしていました。母親から抱きしめられ、慈しまれて、精神的に安心して生きていける幸せな家庭を想像して嬉しくなりました。ネグレクト、虐待が毎日のように報じられる日本。これを修復するにはどうしたらいいのでしょうか。福沢諭吉の言葉「人倫の大本(だいほん)は夫婦なり。夫婦ありて後に、親子あり、兄弟姉妹あり」を思い出します。

(2)まもるくん豆知識 高齢者施設の悩み疥癬

 高齢者施設の悩みの一つは疥癬です。カイセンダニやヒゼンダニがもたらすこの皮膚病は感染力が強くあっという間に蔓延します。入所者は勿論ですが、介護者そしてその家族にいたるまで伝染していきます。最近当社のホームページを検索される項目で疥癬がトップ3に入っています。発生した施設は人聞きが悪いので公表を避け秘密裏に治癒しようとします。以前は硫黄から作られた六十(ムトウ)ハップがありましたが、製造されていませんので、安息酸ベンジルを塗るしかありません。「まもるくん」なら4週間でカイセンを終息させることが出来ます。